4人の子育てをしながら、小学校の先生・SNS発信をするのっちさんが本に込めた願いとは?

4人の子育てをしながら、小学校の先生・SNS発信者・著者として多方面で活動するのっちさん。
初めての書籍出版には、教員として過ごした日々で受け取った“想い”を、次はのっちさんから一人で悩む先生に届けたいという想いが込められています。

今回のインタビューでは、SNSを始めたきっかけや出版に至るまでの背景、原点となった経験、これから描く未来について伺いました。

Interview

4児の母・小学校教員
のっちさん

4児の母で小学校教員をしているのっちさん。SNSフォロワー数約2.1万人(2025年9月現在)。
インスタグラムでは、どんなに忙しくても子どもとつながりたい先生の「じぶん」を守る働き方を発信中。

岸井彩

のっちさん今日はお話しを聞けるのを楽しみにしていました。
よろしくお願いします!

のっちさん

こちらこそ、よろしくお願いします!

目次

発信のきっかけは「誰かが助かるかも」

ーー始めにのっちさんの原点となる発信についてお聞かせください。発信を始めたきっかけは何でしたか?

のっちさん

私は「子育てと仕事を両立したい」って思ってて、時短勤務を一度取ったんですが、その地域で、初めて時短を取った人だったんです。1年間やってみたら「時短勤務ってどうですか?」って色んな人から連絡が来てそれで「時短勤務についてまとめて紹介したら悩んでいる人を助けられるかも?」って思っていました。

ーーのっちさんが初めて時短勤務とられた方だったんですね!

のっちさん

それまでインスタも見たことがなかったんですが、子どもたちにとってSNSが当たり前の世の中になってきて子供達が見ている世界を自分も知っておいた方がいいかなってって気持ちもありました。そこでじゃあ発信してみようかなって始めたのがきっかけです。

ーーどのような思いを届けたいと思ってアカウントを運用していますか?

のっちさん

今はいろんな先生とつながっていて、みんな頑張っているのに、先生たちの頑張りってあまりピックアップされないんですよね。一人で抱えたり、悩んだりしてる先生も多いです。でもそういう“一生懸命な先生”が、報われてほしいって思ってます。

ーー確かに先生たちの頑張りを注目されていることは少ないかもしれません。

のっちさん

あとは「大切な人を大切にしながら、でも仕事も頑張りたい」っていう先生の力になれたらいいなって思って発信してます。

ーー発信活動の中で、印象に残っている出来事とか、反響はありますか?

のっちさん

これ書いていいのかなって思うくらい強い言葉や、“思ってるけど誰にも言えなかったこと”を投稿したとき、「救われました」って言ってもらえたことがありました。そのときは「やってよかったな」って思いました。

ーー嬉しい言葉ですね!

のっちさん

あとは私が好きでやってる“学級経営のやり方”をシェアしたら、
「やってみます!ありがとうございます!」って言ってもらえて、先生が子どもたちに渡して「すごく喜んでました!」って聞いたときは、本当に嬉しかったです。出版のお声がけをいただけたのも、ありがたい経験でした。

家族と発信、その狭間で揺れた日々

ーーでは反対に…発信する上で大変だったことはありますか?

のっちさん

「人の役に立ちたい」と思って投稿してたんですが、同時に「自分は子どもを大事にしたい」って強く思っていました。でも、インスタをやるってことは、そこに時間を使うってことだから、その分子どもとの時間が減ってしまうんです。それが本当に苦しくて葛藤しました…。

ーーそれは葛藤しますね。

のっちさん

18時に仕事が終わって家に帰ると投稿が作れないから「投稿を作るまで家に帰らない」って自分で決めて、図書館に行って投稿作って、夜20時に家に帰るみたいな生活をしてた時期もありました。「このままでいいのかな…」「意味あるのかな…」って、今も時々思うことはあります。そういうときは、やっぱりきついなって思いました。

ーーそのリアルな“葛藤”があった上での発信だからこそ、のっちさんの言葉は深く届き共感を呼ぶんですね。

のっちさん

ありがとうございます。


「受け取った知恵を私で止めたくない」出版に託した想い

ーー書籍を「出版したい」と思った理由を教えていただけますか?

のっちさん

もともと「自分が教員として生きてきた証を、何かの形で残したい」っていう想いがずっとありました。本当にありがたいことに周りの先生たちに恵まれて、いろんなことを教えてもらってきたんですが、それを“自分の中だけに留めておく”のはどこか違うなって思っていて。私で止めてしまったら、そこで終わってしまいますよね?

ーーそうかもしれません。

のっちさん

でもそれを“本”という形にして、必要な人に届ければ、私が受け取った知恵や想いが、どんどん広がっていきます。「そうなったらいいな」って、ずっと思ってました。

ーーその想いが本になったのですね。

のっちさん

それに自分の子どもたちにも「こんな仕事をしてるんだよ」って胸を張って言える、そんな親でいたいなって思っていました。だから「本を出す」っていうのは夢でもあったし、私にとっては“自分らしく生きていくための1つの証”だったのかもしれないなって思っています。

届けたい想いと隠れたメッセージ

ーー書籍はどんな人に届けたいと思って書きましたか?

のっちさん

「子どもたちのために一生懸命頑張ってる先生たち」に届いてほしいなと思っています。頑張ってるからこそ、苦しかったり、しんどかったりすることもあると思いますし、そんな先生たちにそっと寄り添うような本になればいいなって思っています。あともう一つは、「一人で悩む先生を減らしたい」って強く思って書いた本なのでそういう先生たちに届いたら嬉しいなって思ってます。

ーー一人で悩む先生にぜひ届いて欲しいです。

のっちさん

それと…これは“裏テーマ”なんですが、SNSを始めてから「夢を叶えるまで」の記録も、実はこの本には詰まっています。実は私、「Instagramで1万人フォロワーを達成する」っていう目標を“3月31日”までって決めていました。1年前に「来年の3月31日に1万人になる」って宣言しました。そしたら本当に3月31日に1万人を達成できて「本を出したい」っていう夢も、叶えることができました!

ーーええええー!すごすぎて鳥肌立ちました…!

のっちさん

この本には子育てをしながらでも夢に向かって走ってきた、“私の全部のマインド”を込められています。なので先生じゃなくても「夢を叶えたい」って思っている人に読んでもらえたら嬉しいと思います。

ーー先生だけではなく夢を叶えたい人へのメッセージも入ってるんですね。

のっちさん

「特別な存在じゃなくても、前に進めば、きっと何か掴める」そう信じてほしくて、そう思いながら書いていました。私自身も自分の足を少しでも軽くしたくて、足かせや邪魔な風を避けながら手放しながらここまでやってきたので、そのプロセスも全部乗せたつもりです。なので書いてるときは、いつも頭の中に「届けたい人たち」の顔を思い浮かべながら書いていました。そういう人たちに届いたら、本当に嬉しいなって思います。

ーー誰かの“力になりたい”っていうのっちさんの優しさが、全部詰まってる一冊ですね。

“わくわくする想い”を届けたい

ーー今後書籍をどのように展開していきたいと考えていますか?

のっちさん

最初にも少し話したようないろんな先生たちとワークショップをしたり、お話をしたり、あとは教育委員会の方々と一緒にお仕事できたら嬉しいなと思っています。先生たちが“心に余裕”を持てるようになったら、それはきっと子どもたちの「学び」にもつながると思うので。

ーー心の余裕が子供の学びにつながる・・その通りですね。

のっちさん

先生にゆとりができれば「もっと学びたいな」「子どもに還元したいな」って思える。だからこそ、先生たちの前に立って話す機会を持ったり、教育委員会との連携が増えていけば嬉しいなって思っています。それからもう一つ発信者として発信で悩んでいる人のサポートもしていけたらなって考えています。

ーー「第2弾」を出したいと思っていますか?

のっちさん

うん、出したいです。
第2弾は違うテイストでにも挑戦してみたいって思っています。たとえば…「簡単に子どもにプレゼントが作れるアイデア」とか、私がやってる“赤ペン技”を紹介したりなど。読むと「楽しそう!やってみたい!」って思えるような、先生たちの現場で役立って、気持ちがパッと明るくなるような、“見てワクワクする”本にしたいなって思ってます。

ーー素敵です…!今から第2弾、待ち遠しい人がたくさんいると思います。

大切にしている気持ち・したい想い


ーーお仕事や発信を通して、のっちさんは「どんな人の力になりたい」と日々思っていますか?

のっちさん

先生としてやっぱり「子どもたちのために頑張りたい」って思っています。でもそのためにはまず「先生自身が元気でいてほしい」と思っていました。なので私は、「大切にしたい人を大切にしながら働くこと」それを一緒に頑張っていける先生たちの力になれたらいいなと思っています。

ーーのっちさんにとっての“大切な人”とは?

のっちさん

まずはやっぱり家族です。子どもたちと夫と一緒に、楽しく過ごす時間を一番大事にしています。でも「生活のためだけ」に働いてるわけじゃなくて、自分自身が楽しく働きたいし、その仕事の喜びをちゃんと子どもたちに還元したいって思っています。なので、その両方を満たせる“心地よい働き方”ができたらいいなと思っています。

ーーすごく共感します…!

のっちさん

信念っていうとちょっと違うかもしれませんが……私は「正しさは正義じゃない」って思っています。正しいことが、必ずしも“優しさ”にはならないっていうか。正しいからこそ、時には人を傷つけちゃうこともあります。だから、仕事も子育ても、“グラデーション”を大事にしながらやっていきたいなって思っています。

ーー過去に正義を振りかざして失敗した身としては沁みます。

のっちさん

あと、私、「優しさって体力だな」ってすごく思ってて。それ、すごく好きな言葉なんです。自分がイライラして優しくできない時って、「優しさの体力が足りてない」だけなんだなって思うので、じゃあどうやったら自分を整えられるかな?って、よく振り返るようにしています。子どもに対しても、「優しく」っていうより、「安心して過ごせる環境を作る」ことが大事なんですよね。

ーーのっちさんがイライラする姿、全然想像つかないのですが・・・

のっちさん

えー、いつも怒ってるって子供たちに言われています(笑)余裕がなくなると、ついイライラしちゃうのでもう、日々反省です。

ーー仏のようなのっちさんでも子供達に怒ってると言われることに、いつも鬼と言われている私はなんだか親近感がもてました。笑

読者へのメッセージ

のっちさん

きっと私の活動を見て「自分もこんなことをやってみたい」と思ってくれる人がいると思います。でも実際にやろうとすると、「ステップが多すぎて夢が遠く感じるな…」って思っちゃうこと、あると思うんです。
私も本当に、何の計画もなく、ただ「やってみようかな」ってところから始まっているので。でも行動すれば夢にはちゃんと近づくって、今は本当に思っています。

のっちさん

それに“仲間がいればもっと近づける”って、心から思うので。教育もそうだし、発信も、働き方も、全部です。誰かと一緒に笑いながら、自分の「大切な人」を大切にしながら、自分の「夢」も実現していけたら、すごく素敵ですよね。このインタビューを読んでくれたみなさんが、そんな未来に向かって一歩踏み出せますように。心から、そう願っています。

ーーインタビュアーあとがき

のっちさんは最初から最後まで愛に溢れていました。
質問をするたびに「有難う」という言葉を言ってくださり、質問に答えるだけではなく「質問をしてくれて、聞いてくれて有難う」という心意気が伝わりインタビュアーの心も何度となく浄化されました。
少しでものっちさんの魅力が伝わったら嬉しいです。

(文・構成:岸井彩)


書籍:どんなに忙しくても子どもとつながりたい先生の「じぶん」を守る働き方


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